飲食業|解雇・残業代請求に関する顧問弁護士活用事例

顧問先が運営している飲食店について経営不振を理由に閉店し,同店の店長を整理解雇したところ不当解雇を理由とする地位確認及び在職中の未払い残業代等4000万円以上を請求する民事訴訟を提起され未払い残業代部分については全て請求を排除したのと同様の訴訟上の和解が成立した事例

概要

業種

この会社自体は不動産業であるが,全国に薬局を展開する会社の関連会社

相談内容

顧問先の経営者の個人的な知り合いに数十年にわたって飲食店を経営させていたが,新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり経営が低迷していることから飲食店の閉店,店長の整理解雇をしたところ,この元店長から不当解雇を理由とする地位確認,在職中の未払い残業代など4,000万円以上を請求する民事訴訟を提起されて困っている。

解決方法

民事訴訟において被告となった顧問先の訴訟代理人として解雇の有効性,残業時間の不発生などを主張して原告の請求を排除する努力をして未払い残業代については支払わなくて済む形(当初の請求額から3,000万円弱をカットする形)での訴訟上の和解を成立させました。

解決までの期間

1年5か月

 

事案内容

事案と結果

飲食店の店長が主張する残業が本当にあったのか,残業があったとしても管理監督者であるので深夜割増賃金以外はないのではないか,整理解雇は有効かが争点となりました。

整理解雇については問題があったことを認めてバックペイは支払うが,残業代相当額は一切支払わないという計算で原告の請求額から3,000万円ほど低い額を支払う内容にて訴訟上の和解を成立させました。

事案の詳細

顧問先は不動産業を営んでいる会社ですが,その本体となっているのは全国に薬局チェーンを展開している会社であり,畑違いの飲食店の経営というのは経営者と飲食店の店長との個人的な関係で始まり,それが長期間続いていたものです。

会社の経営をご子息たちに承継させたいが,その前にこの飲食店の問題を解決しておきたいとの経営者の思いもあって飲食店の閉店等を実行したものです。

そのことによって法的な紛争に発展しましたが,未払い残業代をほぼ全てカットできたのと同様の金額での和解で終わったことから会社経営者の願いは叶えられたのではないかと思います。

 

弁護士の対応・アドバイス

本件は整理解雇が絡んだ事案でしたが,もう少し早い段階でご相談いただければ経営不振を理由とする経費削減や労働条件の見直しから着手できたのではないかと思っています。

整理解雇という手段の選択が不適切ではないかと思われた事案ですが,この点以外のところでは原告の請求を全て排除できましたので本件の解決としては良い解決となったと思っています。

顧問先様には日頃から解雇についてはあくまでも最終手段であり,解雇相当な事案でも退職の形で雇用契約を終了させるようお勧めしています。幸い,どの顧問先もそれに従っていただいておりますので不当解雇を原因とする法的紛争の発生はレアケースになっています。

問題社員などの雇用契約を解消したい社員との関係でよりスムーズに退職へとつなげていくにはどうすればよいのかという経営者の相談は普段からよく受けており,適切な退職勧奨を経て雇用契約を解消している顧問先様が多いようです。

問題社員への対応については日常的に相談できる顧問弁護士を置いている会社の方が適切な対処ができ,また問題社員対応についての悩みを抱え込む人事担当者,経営者の精神的な負担も軽減できると思います。

この際,そういった視点からも顧問弁護士を会社に置くことを検討されてはいかがでしょうか。

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