旅客運送業|未払い賃金請求対応に関する顧問弁護士活用事例

元従業員から代理人弁護士を通じて在職中の未払い賃金200万円強を請求されたものの当初の請求額から約100万円減額して和解により解決できた案件

概要

業種

旅客運送業

相談内容

顧問先企業から数か月前に退職した従業員から代理人弁護士を通じて在職中の未払い賃金を請求されているが,どう対処すべきか困っているとの相談を受けた。

解決方法

顧問先企業の名前で相手方の代理人弁護士宛の連絡文書を作成し,相手方代理人から連絡があるごとに打ち合わせをして文書を作成して顧問先企業から送信してもらい,最終的には相手方との和解書を作成して双方がこれに署名・捺印する形で和解によって解決できた事例

解決までの期間

最初の相談から和解書を交わすまでに6か月

 

事案内容

事案と結果

本件は従業員の労働時間をタイムカード等で管理していなかったため,従業員が所定労働時間にきちんと労働していたのか,時間外労働がどの程度あったのか,休憩時間をきちんととっていたのかが争点となりました。

顧問先企業の代理人弁護士として対応しても良かったのですが,相手方との交渉を有利に進めるために顧問先企業の名前で連絡文書を作成して送付してみるということでスタートし,結局,代理人弁護士として名前を出すことなく(正式に交渉案件として受任しないまま)和解の成立にまでこぎつけることができました。

事案の詳細

既に説明したとおりですが,元社員が夜間の勤務の際に休憩時間を実際に取れていたのかどうかという非常に難しい問題がある案件でした。「職務の内容からすると休憩時間が決められていたとしても常時,会社の指揮命令下にあり,一時的に職務から解放されていたとしても手待ち状態にあると評価できるので,全く休憩時間がとれていなかったのではないか。」という相手方代理人の問題意識にも一理あり,顧問先企業としては民事訴訟や労働審判の場に持ち込まれる前に解決したい案件でした。そこで本件では敢えて顧問先企業の名前で交渉してもらい,水面下で協力する形をとりました。

 

このこと自体が功を奏したのかどうかはわからないのですが,正式に交渉案件として依頼を受けずに水面下で協力する形のまま和解での解決ができたので結果的には良かったです。

 

弁護士の対応・アドバイス

本件で当事務所の弁護士が行った対応は前述のとおりです。

 

顧問先企業から相談を受けて顧問先企業の名前で相手方代理人弁護士宛の文書を作成して発送してもらう,それに対する回答が相手方からあれば相談に来ていただく,相手方からの文書に対して回答する文書を作成し顧問先企業から送ってもらう。このやり取りを繰り返すうちに相手方も譲歩すべきところを譲歩し,当方も譲歩できるところを譲歩して最終的には和解することができました。

今考えてみると代理人弁護士として対応しても同じ結果が得られたのではないか,あるいはもっと業務量が少なく迅速に解決できたのではないかという気もします。

 

実際,相手方代理人の弁護士は顧問先企業の名前で作成された文章を一読するだけで弁護士が作成していることがわかっていたはずであり,顧問弁護士は水面下で活動せずに代理人弁護士として出てくればいいのにと思っておられたのはないでしょうか。

一般論ですが,代理人弁護士としてきちんと活動する方が良いのか,まずは当事者本人の名前で文書を作成して送付してもらい,どこかのタイミングで正式に交渉案件として受任するのがよいのかと迷うケースもあります。
本件では後者で,正式に受任するタイミングを逸した感もあり,弁護士業務としては課題が残る案件だったかなと正直思っています。

ただ,顧問先企業からすると当初の請求額から大幅に減額できて和解による解決ができたわけで,ある程度ご満足いただけたのではないでしょうか。

元従業員からの未払い賃金請求というのは会社が巻き込まれる法的トラブルとしては代表的なものになります。まずは社労士の先生に相談され,その先生から案件をご紹介いただいて当事務所の弁護士が受任するケースも多くあります。

 

紛争が顕在化してしまうと紛争の解決に向けて弁護士に相談し,案件として依頼して解決に向けて二人三脚で協力していくというのが合理的だと思います。また,そもそも紛争案件にならないような日常の労務管理を相談する,紛争が顕在化した際にすぐに相談できる弁護士を確保しておくという意味で,会社で顧問弁護士を依頼しておくというのは会社経営者としては十分考慮に値する対応だと思います。いざとなったらいつでも相談できる弁護士がいるという安心感,経営者が1人で問題を抱え込まなくて済むという紛争が顕在化した後の労力や時間(くよくよ悩んでいる時間もコストですから)の節約にもなります。

 

会社経営者の皆様からの多くの相談に日常的に対応しており,迅速かつ正確な回答を売りとしている当事務所の弁護士を貴社の顧問弁護士として依頼することも検討されてはいかがでしょうか。

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