所有物件を賃貸している賃借人との賃貸中のトラブルの顧問弁護士活用事例
顧問先が所有し県外の会社に賃貸している際に同社が代理人弁護士を通じて賃料の減額や損害賠償請求をしてきたものの管理会社をつけると同時に顧問先の代理人弁護士として相手方会社と交渉を行い、賃借人が円満に退去することになったケース
概要
業種
◆内装のデザインを行っている個人事業主に近い業態
※会社が所有している不動産賃貸によって賃料収入も得ている。
相談内容
会社(顧問先)が所有する建物を1棟まるごと県外の企業に賃貸しているが、この企業から、顧問先の経営者が賃貸物件についてとった行動によって損害が生じているとして損害賠償を請求する、賃料が高すぎるので賃料減額請求も考えているといった文書が代理人弁護士から届いており、それまでは社長自らが対応していたが精神的な負担が重いので可能であれば会社の窓口となって交渉して欲しいという相談を受けた。
解決方法
当事務所の弁護士が相談して来られた会社の顧問弁護士になるとともに顧問業務の一環として相手方企業の代理人弁護士と交渉を行うとともに日常の賃貸管理業務を弁護士が懇意にしている宅建業者に依頼するといった対応を行い、最終的には相手方企業が賃貸物件から退去することとなり原状回復などの清算も無事にできて円満解決ができました。
なお従前、相手方企業から請求されていた損害賠償については1円も支払わずに済んでいます。
解決までの期間
約7か月(相談から退去後の原状回復の清算終了まで)
事案内容
事案と結果
相談内容に記載したとおりです。賃借人からの不当な請求を排除するとともに賃借人の物件使用についても問題を指摘して改善を促すなどするとともに日常の管理業務を宮崎市内の宅建業者に依頼しました。
そのような対応をしているうちに相手方企業が賃貸物件から退去したいとの申し入れがあり、退去時期と退去後の原状回復が交渉内容のメインとなりました。
この退去時期、退去後の原状回復についても合意ができて実際に工事を行って清算も終了ということでご依頼いただいた業務は無事に解決することができました。
事案の詳細
上記でも述べたとおりですが、事実関係を少し補足します。紛争が生じるまでは顧問先企業の経営者が直接相手方企業とやり取りをしており、また経営者が賃貸物件の近くに住んでいるということもあって色々な行き違いが生じている案件でした。
そこで日常の不動産管理業務についても顧問先企業の経営者ではなく第三者である宅建業者に依頼することによってそれまでのトラブルの芽を摘もうと考えて、実際に管理業務を依頼しました。このことによってそれまで生じていた賃貸物件をめぐる些細ないざこざは生じなくなりました。
一方で法的な部分では顧問先企業の立場に立って代理人として交渉を行い、最終的には賃貸借契約の円満な解消ということで終了しましたのでベストな解決となったのではないでしょうか。
弁護士の対応・アドバイス
不動産の賃貸を主力業務として行っておられる会社以外でも自社所有物件を賃貸している会社は多いと思います。このような会社が自ら不動産の管理業務を行うのは中々大変ですので宅建業者に不動産管理業務を依頼するのが合理的です。実際にそうしている会社も多いところです。
不動産管理業務を依頼することで日常の問題はある程度、解決できるところですが、賃貸物件について法的な問題が生じた場合には宅建業者では対応できず弁護士からのアドバイスを必要とする場面が生じます。特に多くの不動産を所有し、第三者に賃貸している会社であればなおさらです。
当事務所の弁護士には宅地建物取引士の資格を有しているともに宮崎県の宅建業の業界団体の顧問弁護士を10年以上務めている者がおり、多くの宅建業者・不動産管理業者との接点があると同時に多くの不動産取引紛争に関わってきているものがおります。自社の中核業務として不動産賃貸を業としている会社はもちろん、自社物件を第三者に賃貸している会社経営者におかれましては、宅建業界との関りが深く、不動産取引に関わる案件を多く担当してきた当事務所の弁護士を貴社の顧問弁護士として依頼することも検討されてはいかがでしょうか。