小売業|立退き請求対応における顧問弁護士活用事例

顧問先企業が多くの駐車場付きの建物を賃借していたが、賃貸人から賃貸借契約の更新拒絶と契約期間満了後の立退きを求められたのに対して更新拒絶の正当性を争い、最終的には立退料1、000万円を受け取って退去することで和解により解決できた案件

概要

業種

小売業

相談内容

宮崎県内に複数店舗を展開している企業から、ある支店の建物を賃借しているがこの建物の賃貸人から賃貸借契約の更新拒絶と契約期間満了時の明渡しを求められて困っているとの相談を受けた。

解決方法

建物の賃貸人側に代理人弁護士が付いていたため、相談先企業に賃貸人に対する文書の作成方法などについてアドバイスをし、その後、同企業から顧問契約をいただき、顧問業務の一環ということで同社の代理人として退去をするかどうか、退去をする場合の時期や立退料の額についての交渉をしました。

当初から賃貸人側から立退料700万円を支払うとの提示はありましたが、交渉の結果、最終的には1、000万円の立退料を支払ってもらうとの内容で明渡しに応じるとの和解を成立させました。

解決までの期間

最初の相談から合意書を交わすまでに4か月、正式に依頼を受けてから合意書を交わすまでに1か月。

 

事案内容

事案と結果

賃貸人側の更新拒絶の正当事由が弱い案件でしたので立ち退かない前提での交渉をすることも考えられましたが、受任した時点から立退料の支払いを前提とする交渉が始まっていましたので立退きの時期の調整や立退料の額の増額を目標として受任した案件になります。

結果としては立退料について300万円の増額(700万円→1、000万円)と立退きの時期について当初の提案より数か月先にすることができました。

事案の詳細

既に説明したとおりですが、それとは別に賃貸人側は本件建物の賃料が安すぎるので賃料増額請求をすることをほのめかして立退交渉をしてきたという事実もあります。

賃料増額の可能性があるとなると安く借りられているからこそ意味のある(コストが安く抑えられている)支店展開について意義がなくなることになります。また件の支店がどの程度、利益を生み出す支店なのかという視点でも立退くかどうかの意思決定は変わってきます。

本件は立退き自体、諸々の考慮から相談先企業の代表者にとって合理的な選択でありましたが、立ち退く場合に、営業している店舗の商品・備品や機能を別店舗に移すとなるとその時期やそこにかかる費用をどう賄うかという問題になり、本件では費用を立退料で賄うというスタンスで交渉が推移したものです。

そして最終的には退去の時期、立退料の額ともに顧問先企業がある程度納得できる内容にて和解できたものです。

 

弁護士の対応・アドバイス

本件で当事務所の弁護士が行った対応は前述のとおりです。
賃貸人の代理人弁護士から賃借している建物からの退去を求める文書が来た場合には、すぐに対処しなくてはいけないのではないか、退去することになった場合、今後の生活や事業をどうするべきか無条件で退去しなくてはいけないのか等、色々な悩みや問題が生じます。この点は個人としての賃借であれ、法人としての賃借であれ変わりはありません。
ただ、事業用建物の賃借の場合には、建物からの退去=その建物で営業することによって得られていた売上げの喪失につながるのが一般的ですので、賃貸人からの不当な退去請求に対してはきちんと争って立退料などをきちんともらってから退去するという解決を目指す必要があります。賃貸人から立退料を支払ってもらう解決をする場合の立退料の額も個人の住宅の賃貸借よりも高額になる傾向にあります。

その意味では本件の顧問先企業は問題の発生直後に当事務所に相談に来られて、交渉に代理人を立てる必要が生じた段階で当事務所と顧問契約を締結して、その業務の一環として交渉を依頼されましたので、非常に合理的な選択をされたと思います。それが比較的良い内容での和解による解決につながったのではないでしょうか。

本件のような不動産の賃貸借契約をめぐる紛争はもちろん法的な紛争が生じそうな場合、顕在化した場合、まずはすぐに相談できる専門家がいること、専門家から適切な助言をすぐに得られる状態があることは会社経営者の皆様にとって大きな安心感につながると思います。

会社経営者の皆様からの多くの相談に日常的に対応しており、迅速かつ正確な回答を売りとしている当事務所の弁護士を貴社の顧問弁護士として依頼することも検討されてはいかがでしょうか。

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