法人からのクレーム対応に関する案件の解決事例
相談企業が自社の業務に関するFAXを誤って別の番号に送信したところ、誤送信されたという法人から「当社に複数回にわたってFAXを誤送信されて迷惑している、誠意を示すために東京まで出てきて謝罪しろ。」との要求をされて不安になって相談に来られたケース
概要
業種
・宮崎市以内で飲食店を経営する有限会社
相談内容
業務文書を社員がFAX番号の入力を誤って誤送信したところ、誤送先の法人から複数回にわたってFAXの誤送信があって業務を妨害された、誠意を見せるために法人の本社がある東京まで謝りに来いとの要求をされた。
FAXの誤送信は悪いと思っているが東京まで謝罪に行く気はない。たちの悪そうな会社だったので今後何をされるかが不安なので何か手を打ちたいとの相談。
解決方法
FAX番号について弁護士会照会を使ってその番号を使用している法人を特定し、当該法人からの要求には応じられないこと、今後も同様の要求をするようであれば然るべき法的措置をとる旨の通知書を内容証明郵便で送ったところ、不当な要求や連絡が完全になくなり、その状態が6か月以上続いたため不当要求が排除できたものとして終結扱い
とした。
なお、その後も相手方法人からは一切、相談先企業や代理人となった当事務所の弁護士に一切連絡がなかったものである。
解決までの期間
最初の相談から相手方法人への通知書の発送、その後、相手方法人からの連絡がないという状態が6か月継続まで(請求排除と判断した時期)までに7か月強
事案内容
事案と結果
相談内容に記載したとおりです。
弁護士会照会の結果、相手方法人が特定できたのみならずFAXの誤送信の回数が複数回ではなく1回であることが判明しました。元々、不当であった相手方の請求について「複数回の」誤送信という事実もないことが判明したことによって全くの言いがかりによる極めて不当な要求であることが発覚したものです。
このことから通知書の内容については相手方法人に対してその行為を強く非難するものになりました。内容証明郵便での郵送とともに不当要求のきっかけとなったFAX番号にも同様の文書をFAX送信しました。
その後、相手方法人から相談企業にも当事務所の弁護士にも連絡はなく、最後の連絡から6か月経過をもって請求を排除したと評価して解決としました。なお、その後も連絡があることなく7年以上経過しています。
事案の詳細
今回は相手方法人の情報がFAX番号しかなかったことから弁護士会を通じてNTTに照会をかけて相手方法人の情報を特定して不当要求の排除に着手するという流れになりました。紛争の相手方の情報が乏しいケースの場合には、このような照会での調査が文書の作成・発送に先行することになります。
相談企業の対応について少し過剰と思われるかもしれませんが、相手方法人についてその態度から反社会的勢力である恐れもありましたので、当事務所に対応を依頼されるということも合理的な選択だったのではないでしょうか。
なお、本件の相談企業は、顧問税理士の先生から紹介されて当事務所に相談に来られたものです。
弁護士の対応・アドバイス
本件で当事務所の弁護士が行った対応は前述のとおりです。
今回のきっかけは1回のFAX誤送信であり、送信先法人が極めて悪質な法人であったため結果的に大事になってしまいました。とはいえ、相手方法人は当方が送った文書に反論することも相談企業に嫌がらせをすることもなく、そのままフェードアウトする形となりましたし、相談企業も当事務所が代理人となって対応したことによって今回のトラブルのことを忘れて本業に注力することができたとのことでした。
取引先や顧客、普段接点のない方(個人、法人を問いません)から不当な要求をされて困っている会社経営者の皆様、理不尽だとわかっている要求でもそのことを1人で抱えつづけるのは精神的にとてもつらいものですし、不当な要求だとわかっていても応じた方が楽になるのではないかと思ってしまうことになりがちです。
このような負の状態から一刻も早く抜け出すためにも、会社経営者の皆様からの多くの相談に日常的に対応しており、迅速かつ正確な回答を売りとしている当事務所の弁護士に相談していただき、場合によっては貴社が抱えている紛争案件の代理人として当事務所の弁護士を立てることも検討されてはいかがでしょうか。