【コラム】新型コロナウィルスとテレワーク②

新型コロナウィルスとテレワークについて②

普段から労働問題について顧問弁護士である浜ちゃんに相談しているK社のY社長,

新型コロナウィルスの感染が広がる中,何らかの対策が必要だと考えて浜ちゃんに相談しています。

浜ちゃん先生

「前回テレワークの導入を検討してはどうですか?という話をしましたね。」

Y社長

「テレワークの導入については就業規則の変更が必要でしょうか?」

 

浜ちゃん先生

「従業員の方の働く場所が変わるだけであれば変更は不要です。」

 

Y社長

「それではどのような場合に変更が必要なのでしょうか?」

 

浜ちゃん先生

「例えば始業時間や終業時間の変更,休憩時間の長さや与え方の変更,賃金の決定及び計算方法の変更などを伴う場合です。」

 

Y社長

「確かにテレワークの場合には通勤時間等がかからないことになりますから始業時間や集合時間を通常勤務の方と同じにする必要はないですね。」

 

浜ちゃん先生

「休憩時間についても同じことが言えますよね。」

 

Y社長

「テレワークで働いている人の中抜け時間はどのように扱われるのですか?」

浜ちゃん先生

「中抜け時間の間に,使用者が業務の指示をしないこととし,労働者が労働から離れ,自由に利用することが保障されているのが前提となるのですが・・・」

 

Y社長

「はい。」

 

浜ちゃん先生

「中抜け時間の開始と終了の時間を報告させる等により休憩時間として扱って,労働者のニーズに応じて始業時間を繰り上げたり,就業時間を繰り下げたりすることが可能です。」

 

Y社長

「他にどのような扱いが可能ですか?」

 

浜ちゃん先生

「時間単位の年次有給休暇として取り扱うことも可能ですが,この場合には何が必要でしたか?」

 

Y社長

「労使協定の締結が必要でしたね。」

 

浜ちゃん先生

「その通りです。」

 

Y社長

「テレワークを行う労働者について通常の労働者と異なる賃金制度等を定めることも可能ですか?出来高制の採用とか・・・」

 

浜ちゃん先生

「先ほど申し上げた通り,その場合には賃金の決定及び計算の方法が変更になりますから就業規則の変更が必要ですね。」

 

Y社長

「それではテレワーク導入にあたって就業規則の変更をすればよいんですね。」

 

浜ちゃん先生

「でも就業規則の変更が労働条件の不利益変更に当たる場合にはその変更が無効になる可能性がありますよ。」

 

Y社長

「それは何ですか?」

 

浜ちゃん先生

「就業規則の変更によって労働条件が従業員にとって悪い方向に変更される場合には,その変更が無効になるというものです。労働条件や就業規則を変更するには,その合理性が必要です。」

Y社長

「それはどうやって判断するのですか?」

 

浜ちゃん先生

「労働者の受ける不利益の程度,労働条件変更の必要性,変更後の就業規則の内容の相当性,労働組合等との交渉状況等によって判断されます。」

 

Y社長

「不利益変更にあたるかどうかを判断するのは難しそうですね。」

 

浜ちゃん先生

「この点については,就業規則の変更を検討される際に改めてご相談いただけると助かります。」

 

Y社長

「テレワーク時に情報通信機器を利用することになると思いますし,通信費や機器の購入費用,就労場所の水道光熱費についても当社が負担するのか従業員が負担するのかも問題になりそうですね。」

浜ちゃん先生

「この点についても,あらかじめ労使で話し合いをして就業規則等で定めておいた方が無難ですね。特に従業員に一定の負担をさせる場合には「作業用品その他の負担」(労基法89条第6号)に当たりますので,就業規則の変更が必要ですね。」

 

Y社長

「テレワークをしている場合には労働時間の管理をどうするのかが1番の課題のように思えるのですが・・・」

 

浜ちゃん先生

「そう思いますね。次回はテレワークにおける労働時間の管理について少し掘り下げてお話ししますね。」

 

Y社長

「よろしくお願いします。」

 

今回触れたテレワークに限らず労務管理について社労士の先生に加えて弁護士を顧問として委任することにより労使の紛争予防につながると思いますので興味をお持ちの事業者の皆様,お気軽にご相談ください。