「トラック運送業における労務管理」その18-免許取消処分を受けたドライバーを解雇できるか-

浜ちゃんが最近,物流業界に興味を持っているとの噂を聞き,相談に来られた運送会社S社のK社長,

今回もトラック運送業における労務管理について浜ちゃんに相談しています。

 

1. トラックドライバーの免許取消の発覚

 

 

K社長

「先日,当社のドライバーが業務外で車を運転しているときに交通違反をしてしまい

 累積違反点数がたまったということで免許取消処分になってしまいました。」

 

浜ちゃん先生

「貴社が雇用しているドライバーが1人運転できなくなってしまったわけですか。それは困りましたね。」

 

K社長

「困っているのは、このドライバーの雇用をどうするかなんです。

 1年間は免許が取得できないので、辞めてもらった方がよいのかなと思っています。

 このような場合にドライバーの解雇は可能なのでしょうか?」

 

2. 免許取消処分を受けたドライバーの解雇は可能か

 

 

浜ちゃん先生

「以前にもお話したかもしれませんが,解雇権濫用法理というものがあります。」

 

K社長

「解雇には合理的な理由が必要とか社会通念上の相当性が必要というやつですよね?」

 

浜ちゃん先生

「よく覚えておられましたねぇ。

 正確には「客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であるとと認められない場合には,

 その権利を濫用したものとして,無効」(労働契約法16条)になるというものです。」

 

K社長

「解雇をする場合には解雇が濫用にあたってはダメということですね?」

 

浜ちゃん先生

「そのとおりです。有効な解雇をするためには,雇用契約上,

 その社員が免許取消処分によって免許を取り消されたことを理由に

 雇用関係を打ち切ることが客観的に合理的で社会通念上相当であるかを検討する必要があるということですね。」

 

K社長

「今回のドライバーの件を考えるにあたって必要なポイントを教えてください。」

 

浜ちゃん先生

「最も重要なのは雇用契約上職務内容職種限定されているかということです。

 簡単に言いますと、そのドライバーについて雇用契約上,運転業務だけに従事することになっているのか,

 運転業務以外にも従事することになっているのかが重要ということになります。」

 

 

K社長

「今回のドライバーについては大型車両の運転業務ということで求人広告を出して応募してきた人を

 ドライバーとして採用しています。」

 

浜ちゃん先生

「雇用する際の説明,労働条件通知書の内容も大型車両の運転業務ということでよろしいですか?」

 

K社長

「その通りです。」

 

浜ちゃん先生

「貴社の就業規則の異動に関する規定はどうなっていますか?」

 

K社長

「会社は業務上の必要により従業員に配転、または出向を命ずることがあるという規定になっています。」

 

浜ちゃん先生

「過去に会社内でドライバーを他の業務へと異動したことはありますか?」

 

K社長

「1度もありません。また配車係などの別の業務への配転も難しい状態です。」

 

浜ちゃん先生

「そうすると解雇することができるケースに思えますね。

 問題のドライバーとは今後のことについて話をされましたか?」

 

K社長

「これから話そうと思っています。」

 

浜ちゃん先生

「そうですか。ドライバーの処遇についてですが、

 いきなり解雇するのではなく基本的には退職してもらう方向で説得をして,

 それでも応じていただけない場合には解雇を考えることになろうかと思います。」

 

K社長

「そうなんですね。わかりました。

 今後も同様の事態が起こる可能性があると思うのですが、今のうちにできる準備があれば教えてください。」

 

浜ちゃん先生

「ドライバーという職種限定で採用する場合には、その旨を労働契約書労働条件通知書などに明記してください

 ここはすでにされていることだと思いますので引き続きよろしくお願いします。

 

 また就業規則の解雇事由の中に「免許取り消しにより運転業務に従事できなくなったきとき

 という条項を入れておくといいでしょうね。」

 

K社長

「労働契約書や労働条件通知書、就業規則等に明記することですね。わかりました。

 今日もありがとうございました。」

 

浜ちゃん先生

「いえいえ,お付き合いいただきありがとうございました。お疲れさまでした。」

 

最後に

 

☆当事務所においては,これまでも労務管理を中心とする中小企業の

 顧問業務,宅建業や不動産取引にかかわる紛争の解決に注力して参りましたが,

 今後は流通・運送業界の法律問題の解決,顧問業務にも力を入れて取り組むことになりました。

 このブログにおいても有益な情報発信ができるよう努力して参りますので,よろしくお願いいたします!

 

執筆者  弁護士 浜田 諭

 

 

 

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