建設業の皆さまへ

1 建設業でよくあるお悩み例

(1)そもそも建設業とは


このコンテンツを書くにあたって私自身今までに相談を受け,業者側で代理人として紛争の解決に取り組んできた案件のうち,どの業者が「建設業」にあたるのかを正確に理解しようと思い,調べてみました。 
建設業とは「元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう。」(建設業法第2条2項)とされており,「建設工事」とは,土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものをいう(建設業法第2条1項)とされています。
この別表というのが以下のものです。



 このように建設業といってもその範囲は広く,私が担当してきた相談,係争案件のうち
建設業からのものが多かったことを再確認しました。

(2)建設業からよくある相談


さて前置きが長くなりましたが,建設業から相談を受けること,案件の処理を依頼されることが多いのは請負代金請求と労使紛争の大きく2種類になります。
建設工事は施主(注文主)がいて,その依頼に基づいて工事を請け負う業者(請負人)がいるというのが基本的な構図なのですが,この請負人が工事を下請けに出すことが大半で,下請け業者がさらに下請けに出すことによって一次下請け,二次下請けという多層構造になることも珍しくありません。
1つの建築物を完成させるには複数の行程,複数の箇所について多くの業者が関わり,その1つの工事について一次下請け,二次下請けといった形で多くの業者の方が従事されていますので請負代金をめぐるトラブルが多いのは当然のことでしょう。


請負代金請求は工事を完成させたけど請負代金を支払ってくれないので困っているという代金を請求する側(注文主から請負代金を支払ってもらえない請負人,元請から請負代金を支払ってもらえない下請人)と請負代金を請求される側(下請人から不当に高額な請負代金を請求されているという請負人等)の2種類に分かれますが,前者の相談すなわち請負代金を請求する側の相談,案件が圧倒的に多いという印象です。
建設業における労使紛争で多いのは未払い賃金請求になります。後述するように労働時間と評価すべきかどうかが争いになる時間が多く生じる業種ですので,未払い賃金請求をめぐるトラブルが他の業種に比べて多くなることは避けられないと考えます。

2 建設業における顧問弁護士の必要性

(1) 請負代金請求をめぐるトラブルを避けるために

請負代金についてのトラブルは当初の請負契約の不明確さ,追加工事等の工事内容の変更とそれに伴う請負代金の変更について明確な合意がなかったこと,請負代金の清算方法が曖昧であったことによるもの,この辺りが多いという印象です。
現在においても請負契約書を作成せずに注文書と請書で契約成立ということで工事が行われて請負代金の最終清算まで行くケースも珍しくありませんが,工事内容の特定,工事代金の算定方法の合意,追懐工事とそれに伴う代金の変更をどのように行うか,代金の清算方法をどうするのかが必要なことはどの請負代金においても共通です。
弁護士に相談するのは紛争が生じた後,今までには紛争になったことがないから弁護士に相談しなくても大丈夫という認識の会社が今でも多いと思いますが,契約段階や工事の変更のタイミングで弁護士による契約書,注文書,請書のチェック,工事変更についての合意書のチェックなどを経ていれば請負代金請求をめぐる法的紛争が避けられたのではないかと思われるケースは多いです。


弁護士に相談するのはハードルが高い,会社の実情を知らない弁護士に相談料を支払ってもどれだけ有益な助言が得られるのだろうかと思われる建設業の経営者の方が多いことも理解していますが,会社がどのような工事を行っており,どのような取引先(施主,下請け業者)が多く,請負代金の清算をどのように行っているのかを日ごろから共有できる弁護士がいると前提事実を共有できて相談対応してもらえますので有益だと思います。

普通の弁護士は多くの案件を抱えており,一見の会社の相談については予約時からかなり後になってしまったり案件の処理の優先順位が低くなったりしがちですが,顧問弁護士がいれば相談予約や打ち合わせの予定がすぐに入れられたり,すぐに回答が欲しい相談について電話やメールで素早く回答が得られたりするケースが多くなります。これは後述する労使紛争についても同様ですね。

(2)労使紛争を避けるために

2024年(令和6年)4月から建設業についても他の事業と同様に時間外労働の上限規制が適用されるようになりました。
時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間(限度時間)となり,臨時的な特別の事情がなければこれを超えることができません。
また臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)でも,以下を守らなければなりません。
・時間外労働が年720時間以内
・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
・時間外労働と休日労働の合計が2~6か月平均80時間以内
・時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6回が限度

(厚生労働省リーフレットより引用)


これが2024年問題と呼ばれるものであり,建設業においては対応が必要な課題となります。
建設業における労使紛争の多くが未払い賃金請求をめぐる紛争であり,建設業においては事業所での労働よりも現場での労働が多く,事業所から現場までの移動時間,現場近くまで到着してから現場での作業開始までの時間,現場での作業終了から事業所までの移動時間,これらを労働時間と評価するのかどうかが争いになることも少なくなく,事業所での事務作業を行う労働者のようにタイムカードの打刻時間によって労働時間を管理することが難しいことも相まって未払い賃金請求をめぐる紛争が起きやすい業種となります。
労働時間をどのように管理して賃金計算を行い,未払い賃金請求をめぐる紛争が起きづらい環境整備には弁護士の助言が有用となります。そして,より有用な助言を弁護士から得ようと考えた場合には日ごろから相談できる顧問弁護士を依頼しておき,会社の実情や工事の現状を理解してもらっておくことが重要かと思います。


また労働時間管理,未払い賃金請求に限らず問題社員がいる場合にどのような対応をすべきかについては困ったときにすぐに相談できる顧問弁護士がいると安心です。会社経営者として,すぐに判断しなくてはいけない状況で,一見の相談者として法律相談の予約をして1週間以上後に相談できるという状況が生じてしまうのは問題です。経営者にとっても時間は大切であり,悩んでからそれを相談するまでの間の悶々として悩む時間もコストです。信頼できる専門家にすぐに相談できる状態はご多忙な経営者であればあるほど,そこに費用を支払う価値のあるものになります。そのうちの1つが顧問弁護士と言ってよいでしょう。

3 当事務所の顧問プラン

月額3万円(税別),月額5万円(税別),月額10万円(税別)の3つの顧問プランを準備しております。プランによって顧問業務の範囲内で追加料金なしで対応可能な業務に違いはありますが,ご相談いただける内容については特に制限はありません。先に述べました建設業における請負代金の問題や未払い賃金請求といった労使紛争に限られるものではなく法律問題全般について相談が可能です。

どこからが法律問題でどこからがそうでないのか,弁護士よりも税理士の先生や司法書士,社労士の先生に相談した方がよい問題なのか弁護士に相談すべき問題なのかがわからない経営者も多いですし,それが普通です。その問題が弁護士マターなのか,相談すべき適切な専門家は誰なのかの交通整理をすることも顧問弁護士の役割だと思います。

4 当事務所のサポート内容

具体的なサポート内容は顧問プランの詳細をご覧いただきたいのですが,月額3万円(税別)のプランでも契約書や文書のチェック,簡単な文書の作成を追加費用なしで行えるケースがありますし,月額5万円(税別)ですとさらに追加費用なしで対応できる業務が増えますので顧問税理士もいる,顧問の社労士もいる,そろそろ顧問弁護士を依頼したいという規模の会社ですと月額5万円(税別)以上のプランをお勧めします。

5 当事務所に依頼するメリット

当事務所は各弁護士が全ての業務を行い,そのようなジェネラリストの弁護士が集まっているという法律事務所ではなく各弁護士が担当する業務を集中して行うという地方都市では珍しいタイプの法律事務所です。このような事務所であるが故に各弁護士が集中して対応する業務においてはより迅速に,かつ,より適切なサービスを提供できていると考えております。会社の顧問弁護士業務については,その最たる分野だと思います。
宮崎県で建設業をされている会社経営者の皆様,顧問契約をお考えの際には当事務所にご相談ください。

 

 

 

 

文責  弁護士 浜田 諭

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