飲食業の経営者が知っておくべき法的課題と弁護士活用のメリットについて解説

飲食業界は、その事業の性質上、様々な法的リスクに直面しやすい業界です。この記事では、飲食業の経営者が抱える「よくある相談」から「法的トラブル」、そして「弁護士に相談するメリット」について解説します。


1.飲食業におけるよくある相談事例

飲食業の経営者が当事務所に寄せられるご相談は、主に以下の分野に集中しています。

(1) 労務・人事に関するご相談

①残業代・未払い賃金トラブル

サービス残業や変形労働時間制の適切な運用に関するもの、従業員の採用・退職に関するもの、試用期間中の解雇や問題社員への対応に関するもの、問題社員への対応とも関連して円満な退職手続きに関するものなどです。

②ハラスメント対策

従業員間のパワーハラスメント、セクシャルハラスメントの予防策と発生時の対応に関するもの、最近ではお客様からの不当要求への対応を含めたカスタマーハラスメントについての相談が増えてきている傾向にあります。

(2) 店舗・取引に関するご相談

①賃貸借契約についての相談

 新規出店時の契約内容の確認、賃料の減額交渉、退去時の原状回復義務をめぐるトラブルに関する相談等があります。

②食材の仕入れ・取引についての相談

 仕入れ先との契約書作成、契約内容の確認に関する相談、飲食店が普段お客様に提供している食材や料理を販売しているケースもありますので、その場合には売却した商品の品質に関するクレーム対応、代金未払いが発生した場合の債権回収に関する相談があります。

③フランチャイズ契約

フランチャイズ本部または加盟店としての契約内容の精査と、本部と加盟店間のトラブル対応。これはフランチャイザーの立場にある飲食店とフランチャイジーの立場にある飲食店のどちらからの相談もあり得るのですが、後者の飲食店よりは前者の飲食店からの相談が多いです。これは弁護士に相談するという発想をフランチャイザー側の飲食店が持ちやすいからではないかと思います。

(3) 顧客トラブルに関するご相談

①食中毒・アレルギー対応

衛生管理体制の法的なチェック、食中毒発生時の初動対応と損害賠償問題についての相談を受けることがあります。

②悪質なクレーマー

営業妨害とも評価できるようなお客様からの不当なクレームやSNS上での誹謗中傷への対策についての相談を受けることがあります。これは労務管理の観点からはカスハラと評価される相談になることもあります。


2.飲食業の特徴と法的リスク

飲食業は、他の業種と比較していくつかの特有の法的リスクを抱えやすい特徴があります。

(1) 労働環境の特殊性

①長時間労働・シフト管理の複雑さ

営業時間や来客数に応じて労働時間が変動しやすく、労働基準法に抵触しやすい環境にあります。特に人手不足が深刻な現在、適切な勤怠管理と労働環境の整備が急務です。

(2) 許認可と衛生管理の厳格さ

①法令遵守の義務

食品衛生法をはじめ、酒税法、消防法、景品表示法など、遵守すべき法令が多岐にわたります。

②食の安全への責任

食中毒や異物混入といった事態は、単なる営業停止処分に留まらず、多額の損害賠償や企業の信用失墜に直結します。

(3) 店舗物件の依存度の高さ

 立地と内装への先行投資

飲食店にとって店舗の立地と内装は事業の根幹です。そのため、賃貸借契約上のトラブル(契約更新拒絶、建物の明渡しなど)が発生した場合、事業継続に致命的な影響を与えます。


3.飲食業における法的トラブルの実態

(1) 労務トラブルの顕在化

近年の法改正や労働者の権利意識の高まりにより、従業員から代理人弁護士を通じた交渉が行われるケース、労働審判や訴訟に発展するケースが増えています。特に、退職した従業員からの未払い残業代請求は、過去の記録に基づき遡及して請求されるため、その請求額や請求後の支払額によっては会社経営に大きな打撃を与える可能性があります。

(2) SNS・インターネット上のトラブル

顧客や元従業員によるSNSでの悪評、不当な低評価投稿、誹謗中傷などが、瞬く間に広がり、集客に甚大な悪影響を及ぼします。これらはケースによっては名誉毀損や信用毀損として法的な対応が必要となることがあります。

(3) 契約関係の曖昧さが招くトラブル

店舗の譲渡(事業譲渡)やM&Aを行う際、当事者間の合意内容が契約書に明確に反映されていないと、後日、譲渡価格や従業員の引継ぎに関して深刻なトラブルに発展することがあります。また、仕入れ先との契約書がないために、取引条件の変更や債権回収が困難になることも少なくありません。仕入れ先の言いなりで不利な内容の契約書を作成させられて

いる飲食店も珍しくないと思います。


4.飲食業で弁護士に相談するメリット

飲食業の経営者が弁護士に相談し、顧問弁護士などの形で継続的にサポートを受けることは、事業の安定と成長に不可欠です。

(1) 予防法務によるリスク回避

トラブルが発生してから対処する「事後対応」ではなく、事前に契約書や就業規則を整備し、法令遵守の体制を構築する「予防法務」を徹底できます。これにより、代理人弁護士を通じた交渉や労働審判や訴訟といったコストのかかる事態を未然に防ぎます。

(2) 迅速かつ適切なトラブル対応

食中毒や労働基準監督署の調査、悪質なクレーマー対応など、緊急性の高いトラブルが発生した際、弁護士が窓口となり、法的な視点から最善の解決策を迅速に実行します。経営者は安心して本業に専念できます。

(3) 契約・取引の適正化

店舗の賃貸借契約、仕入れ契約、M&Aや事業譲渡の際の契約書作成・レビューを弁護士が行うことで、将来のリスクを考慮した有利な条件を引き出し、不要な紛争を避けることができます。

(4) 債権回収と売掛金管理の強化

未払いが発生した場合の法的な請求(支払督促や民事訴訟等)を弁護士が会社の代理人として行うことで、自社での対応する場合と比較して時間と労力をかけずに債権回収の実現可能性を高めます。

以上述べましたように飲食業における法的課題は多岐にわたりますが、弁護士を「法務のパートナー」として活用することで、法的リスクを乗り越え、安心安全な店舗経営を実現することができます。

5 当事務所のサポート内容

 具体的なサポート内容は顧問プランの詳細をご覧いただきたいのですが、基本的には

月額5万円(税別)のプランで飲食店を営む会社からの相談などに対応するという

顧問弁護士としての対応がメインとなっております。スポットでの案件を受任することも

ありますが当事務所は100社を超える法人・企業との顧問契約を締結しており、顧問先様を優先した取り組みを行っておりますし、スポット案件でお受けするよりも顧問契約を締結する方がリーズナブルであると判断される会社経営者が多いようです。

 この基本プラン(月額50、000円の顧問料)の中で請求額が140万円未満の交渉業務を代理人として行うことも多く、また労務問題を中心に迅速な相談対応・迅速な処理を通じて継続的な顧問契約を締結することによるメリットを実感してもらっていると自負しております。またお客様からの不当要求について弁護士にいつでも相談できる体制を作ることに魅力を感じる経営者が増えている実感がありますが、これは従業員から見るとカスハラと評価されるような対応をする飲食店のお客様が増加傾向にあることと無関係ではないと思います。

 宮崎県で飲食店をされている会社経営者の皆様、法的トラブルでお困りの際、弁護士との顧問契約をお考えの際には当事務所にご相談ください。

文責  弁護士 濵田 諭

  • 顧問弁護士の活用事例

    詳しくはこちら

  • 顧問先の声

    詳しくはこちら

  • 当事務所の顧問弁護士の特徴

    詳しくはこちら

  • 顧問先のご紹介

    詳しくはこちら

  • 顧問弁護士の活用事例
  • 当事務所の顧問弁護士の特徴
  • 顧問先の声
  • 顧問先のご紹介